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3度目の伝説 [ゲーム]

□■□■□


いくつもの丸い影が空を埋め尽くしていた。

地上では得体の知れない巨大な生物が群れを成し、

街のあちこちから住民の絶望の声が木霊していた。


すでに、”いつもの日常”は失われ始めていた。



□■□■□



逃げる途中で、少女はふいに空を見上げた。

空に穴が開いた、そんな気がしたからだった。

”空に穴が開くときにはね、神様がみんなの願いを聞いてくれるのよ”
というおばあちゃんの言葉を思い出して、少女は必死に祈った。


どうか、どうかみんなを助けてください神様、と。



□■□■□



そこには必死に防衛逃走戦を行う小隊があった。

「ここを敵に越えられれば後が無いぞ」
隊の士気を上げようと部下に叱咤する小隊長。


しかし、小隊の人数も残りわずかで、戦況は絶望的だった。


無線機はすでに連絡手段としての機能ははたしておらず、
各地で起きている悲惨な状況を垂れ流すだけの機械と化していた。

所属している中隊ももう壊滅状態だろう。
隊長は無感情に無線機のスイッチを切る。


「隊長!もうもちません」
隊員の一人が銃に最後の弾倉を装填しながら
悲痛な声を上げる。

「諦めるな。もうすぐ援軍が来る」
そう言って隊員を励ます。


嘘だった。


援軍など来るはずが無い。
どの戦場も同じ状況だということは
分かりきっていたことだった。


だが逃げるわけにはいかない。
街にはまだ逃げ遅れた住民が大勢いるのだ。
彼らを残して自分達だけ逃げるなど
EDFとしてあってはならない。
最後まで街の人を守って死ぬ。それだけだ。


「うあぁぁぁっ」
今、最後の小隊員が敵の浸透攻撃の前に倒れた。


「くそっ」


眼前に迫る怪物の群れ。
それに向けて隊長は目一杯銃のトリガを引き続ける。

大量の鉛弾を喰らい、地に沈む怪物。
だが、物量が違い過ぎた。
突撃銃1本程度では敵の強大な浸透を止められる筈も無い。


「すまない。みんな。ここまでだったようだ」
すべてを諦め、隊長が銃を下ろしたそのとき。

ふいに背中から飛来音が聞こえ、
反射的に隊長は後ろを振り返る。

振り返るのとほぼ同時に、
隊長のすぐ側を”何か”が高速で通り過ぎて行く。


次の瞬間、背後で大爆発。


「な、何だ?!」


何が起きたのかともう一度正面を向く隊長の横を
2つ目、3つ目の”何か”が煙を巻き上げながら通過し、
怪物の群れの中心へ吸い込まれていく。

それがロケット弾であると隊長が気付いたのは、
3度目の爆発が起きた後だった。


次々と炎の海に飲まれていく怪物の群れを呆然と眺める隊長の横を、また”何か”が凄い速さで通り過ぎていった。


今度はロケット弾では無かった。

炎の中へ飛び込んだそれは、

「あれは――」

身の丈の何倍もある怪物達を相手に、
その”何か”は堂々と立ち回り始める。


右手に持った突撃銃で一体の怪物を足止めすると、
別の手に握った散弾銃を右手とは逆側へ向けて、
ありったけの弾を撃ち放つ。


怪物の断末魔と共に、大きな血しぶきが吹き上がった。


その背後から別の怪物が大きな顎を開けて噛み付こうとする攻撃を、”何か”は右足を後ろへ半歩ずらしただけで簡単に避けてみせる。

弾切れになった左手の銃を放ると手榴弾を取り出し、
それを無造作に怪物の口の中へと投げ入れる。


爆発。


頭を失い、怪物は機能を停止する。


「あれは人間……なのか?」
隊長は、目の前で繰り広げられる光景が信じられず、
何度もその目を擦った。


巨大な怪物をものともしない戦いぶり。
銃を振るい、手榴弾を投げ付け、ナイフを突き立て、敵を蹂躙する。

別段身体的に優れているわけでもなく、
特殊な装備をしているわけでもない。

その”何か”は正真正銘ただの人間であった。
ただただ、その"動き"だけが現実離れしていたのだった。


怪物がただの人間に、その男に次々と倒されていく。


怪物達は攻撃パターンを切り替え、
お尻を人間へ向けると一斉に体液を放出した。

「危ない!そいつは酸だ」
隊長が叫ぶ。

その男はそばに転がっていた隊員の死体を持ち上げ、前方へ掲げた。盾がわりとなった死体が大量の酸を浴びてどろどろに溶け始める。

なおも降り注ぐ酸の雨。

「駄目だ!逃げろ」
隊長の声も空しく、男は自分の装備と”盾”ごと溶かされてしまった。



否。



溶かされたのは装備と”盾”だけであった。
誰もが見誤ったその次の瞬間、射出音と、続いて爆撃音。
吹き飛ばされる怪物。

射出音の先をたどれば、グレネードランチャーを構えた男の姿があった。

大量の酸の雨が降ってきたとき、それを逆に目晦ましとして利用し、
敵の死角に回り込んでいたのだった。
途中でランチャーを拾うことも計算に入れてのことである。


あさっての方向を向いている怪物共に
次々とグレネードを投擲していく。

怪物達は完全に不意を突かれて何もできないまま、
大爆発とともに一匹残らず肉塊と化した。


「そんな……たった一人で奴らを」


大きな炎を上げて燃える怪物の死骸を背に男は悠々と生還する。
そして隊長の前に来ると、さっきまで凄惨極まる戦いを繰り広げていた人物とは思えないようなくったくのない笑顔で手を差し伸べながら口を開いた。

「歩けるか?とりあえずこの戦域から脱出だ」
「あんた、何者だ」
「さあな、好きに呼ぶといい。”ああああ”なり”PLAYER1”なり……」




□■□■□
END
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というわけで今さらながら地球防衛軍3なのです。


地球防衛軍3 Xbox 360 プラチナコレクション

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  • 出版社/メーカー: D3PUBLISHER
  • メディア: Video Game



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